
百鬼夜行左藤家黙示録
第6章 暴走果てしなく
そんなもしかしたらの偉人も
酒におぼれはただの廃人なのだが
義男にとっての酒とは
ガソリンみたいな物であり
酔ってさえいれば
寝てなくても稼働する魔法の水なのだ
そして飲み屋という名の
ガソリンスタンドで
ひたすら飲み続ける
「お前も呑まあんかあい」
未成年に無理矢理焼酎を飲ませるが
ここで拒否して少しでも機嫌を
そこねさせればと考えると
義明も頑張って飲むほかなかった
「俺が総理大臣なら
毎日旨い酒が呑めるのになああ」
「俺が石油王なら
毎日パチンコ行けんのになああ」
延々と続く帝王学を
ひたすら聞かされる義明であったが
さすがに焼酎の飲み過ぎか
吐き気をもよおし
トイレへと向かった
