
百鬼夜行左藤家黙示録
第6章 暴走果てしなく
「ぅうえぇぇええ」
中学生が義男のような勢いで
酒を飲めば嘔吐するのは当然の結果だ
「うぅ早く戻んないと」
それでもこれ以上義男を放置しては
どんな難癖をつけられるかわからない
義明はふらふらする体を
上手く制御し席に戻る
するとどうした事だろう
そこに義男の姿はなかった
「すいません…
先ほどのお客様のお連れ様ですね
お会計をまだ頂いてないのですが…」
「えっ?オヤジはどこに?」
「なにやら大声をあげながら
外へ出られたまま
お戻りになられないんですよ…」
