Sparkling!
第23章 honeyすうぃーとな俺たち。(S × M )
松本side
「わ…私とお付き合いしてください!!」
「へ?」
ある一人の若い女性客が目の前に買い物かごを持ってきて、
その中の商品のコードを順にスキャンしていき、
「○○円頂戴します。」
と、言って頭を下げる。
ここまではいつものルーティン。
だが、万札を預かり、つり銭を渡した時のことだった。
俺が、たくさんの人が見ている前で、
いきなりコクられたのは。
相「あ、松潤、こんなことにいた!」
晴天の昼下がり。
俺は、屋外に置かれたベンチで仰向けに横たわっていた。
その日はちょっと暖かい日で、
程よく腹が満たされていた俺は、
ぽっかり浮かんだ雲を見つめたまま、少しうとうとしていた。
相「ね、ね、翔ちゃ…店長から話聞いてる?」
「うん。聞いた。」
相「あの、クレームの電話してきたのって、絶対レジでコクってた女の子だよね?」
「さあ…?」
相「さあ、って、女性のお客さま、って言ってたし、タイミング的にも間違いないって!」
俺は、あの告白により一躍有名人となったが、
実は、その日のうちにはもう断っていた。
でも、大変だったのはその後で、
その日のうちに、本社に1本の苦情を訴える電話があって、
ここの店舗の、若い男性従業員の対応が気に入らない、との内容だった。