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Sparkling!

第23章 honeyすうぃーとな俺たち。(S × M )



松本side


手、震えてるよ、ホラ、と、



センパイはタバコを持つ手と反対側の手を俺の方に向けて広げて見せた。



「お、俺は構わない…けど、ご家族の…お父さんのことは…」


櫻「今すぐどうこう、って訳じゃないし、ここからだったら実家からそんなに離れてないし。それに、弟が一緒だから。」


「でも…」


櫻「潤、お前、さ…」



タバコを揉み消し灰皿をポケットにしまうと、


俺の体を抱きしめた。



「セ…!」


櫻「お前が店ん中でコクられてんの見て、俺がどんだけヤキモキした、と思ってんだ?」


「…よく言うよ。自分こそ。」


櫻「俺?俺、何かしたっけ?」


「コクられてたじゃん!?卒業式の日?」


櫻「あれは即断ったから!?」


「どーだか…あれから全く音沙汰なかったし、てっきり付き合ってんのかと思ってた。」


櫻「連絡しづらいだろ?あんなとこ見られたら。」

「俺もだって…」



センパイの背中に両腕を巻き付ける。



「そう言えば、さ、カズが深いこと言ってたよ?」

櫻「どんな?」


「『会えない時間が愛を育てる』んだ、って?」



抱きしめられた腕の力よりも強く、





俺はセンパイの体を抱きしめ返した。

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