Sparkling!
第32章 Baby red
和也side
翔「…はよ。」
「お…はようございます。」
最早、リュックも担げないだろう、ってぐらい(笑)、見事なまでに肩を撫でらせ前室に姿を現した翔さん。
どうしたんだろ?
メチャクチャため息ついてるし…
もしかして…
翔さん、ついにJに奪われちゃったんじゃあ…?(何を?)
智「あ!!翔ちゃんだあ♪」
そこへ眠そうに前室に現れた大野智。
翔さんの姿を見るなり嬉しそうにすりすりと頬擦りし始めた。
智「翔ちゃん、元気ないけどどうしたの?」
纏わりつく大野さんを一瞥したものの、相変わらずされるがままになってる翔さん。
俺は、目が合った大野さんを手招きして呼び寄せる。
今度は俺の背後から抱きついてきて頬擦りを始めた。
智「翔ちゃん、どうしたの?」
和「この間、Jと一緒に帰ってたじゃないすか?」
智「『しょうこ』ちゃんがね?」
「ついに奪われちゃったんじゃないか、って?」
智「え…?とうとう?」
「…とうとう。」
うーん、と唸りながら、
子泣きじじいの如く俺の背中に掴まったまま動かなくなった大野智。
…すいません、重いんですけど?