Sparkling!
第53章 Crazy For You
と、まあ、こんな感じでカズと出会ったわけだけど、
当時は本当にシャイで可愛いキャラのカズに夢中で、
授業も生徒会の会合も上の空で、
その時、俺がちょっとニヤついていたみたいで気持ち悪かった、って翔くんに指摘されていた。
和「あの……どうしても選ばないとダメですか?」
翔「うん。ダメ。」
キッパリ言う翔くんに二宮くんはちょっと困った風に俺たちを交互に見比べた。
多分翔くんなんだろうな?と、俺には変な確信があった。
だって、翔くん男女共にモテるんだもん。
もちろん、勉強もスポーツも出来るから後輩からはよき先輩、としての意味もあるけど、
恋愛対象として好意を持つヤツも少なくない。
その中の何人かはもう味見済みだとかそうじゃないとか。
もし、ホントだったらいつか天誅を、なんて考えてた矢先、
この俺が男に惚れちまうとは。
和「……のさん、です。」
翔「え?」
ん?今、何て言った?
和「お二人のうちどちらかしか選べないんですよね?」
翔「へえ…」
和「だから……その……僕は大野さんの方が…」
俺の手の中の箸が足元に音を立てて落ちた。