Sparkling!
第53章 Crazy For You
そもそも俺とカズが初めてあったのはコンビニ。
その日は母ちゃんが寝坊して弁当が間に合わないからこれで何か買って食べてくれ、って小遣いくれたし、
まあ、たまにはコンビニ弁当も悪くないな?と思い、昼休みに速攻、学校近くのコンビニに向かった。
が、弁当はすべて売り切れ。
じゃあ、やっぱあれしかねぇな?と、好物のブリトーに手を伸ばす。
でも、間一髪の差で、一つだけ残っていたブリトーが、横から伸びてきた生っ白い手に奪われてしまった。
誰だよ!?と、その生っ白い手の人物を睨み付けた。
瞬間、その人物は体をビクッと震わせ怯えた目で俺を見た。
え………?ウチの制服?
さらに顔をまじまじと見つめると女の子みたいに可愛くて童顔で、そこいらの女子より肌もキレイで…。
和「すっ、すいませんっ!!これ…ど…どうぞ!!」
その声に我に返った俺。
「あっ…い…いや…お……俺はいいよ?」
和「えっ!?でも……俺はどうしても、って訳じゃないし?」
真剣な目で俺にブリトーをグイグイ押し付けてきた。
「あ…じゃあ…遠慮なく…」
彼はホッとしたように笑うと小さく会釈して去っていった。
しばらく、その場で呆けたように突っ立っていると、翔くんからの鬼電が来てた。
そして、その日そのブリトーが、
俺の喉を通ることはなかった。