Sparkling!
第54章 サクラサク?
潤side
「……ってことがあったんだ。」
翔「じゃあ、俺らも考えとくか?」
脇に置いてあったミネラルウォーターをがぶ飲みした。
翔「……お祝い。」
「ふふっ。そうだね?」
と、喉の乾きを潤そうとミネラルウォーターに手を伸ばした時だった。
翔「でも……」
その手に、翔さんのちょっと汗で湿った手が重なる。
翔「俺んとこと智くんとこと、どっちが早いか競ってみるのも悪くない。」
「え?」
その、重なった腕に少し強引なまでに引き寄せられる。
翔「出世レースは今、俺は課長だけど、智くんが独立しちゃったからちょっとうやむやになっちゃったけど……」
「だからって…」
だから、って、競うところが違くない?
てか、永遠に終わらないだろ?
翔「……ということで潤。」
「……はい?」
翔「その水飲んだら再開、な?」
「…は………はい。」
翔さんの、その満面の笑みを目の前にして俺は、
口に含んだ水を、ゆっくりと飲み込んだのだった。
「サクラサク?」end.