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調教師との決まりごと、それは

『絶対に恋に落ちないこと』

幸いなことに、今のところ私は恋に落ちてはいない。

でも、冬綺さんは私を抱く時時折切ない声で、泣きそうに掠れた声で私の名を呼ぶ。

その声に、危うく引き込まれそうになったことが、どれだけあっただろう。

事実、最近はそんなことが増えている。

……まさか冬綺さん……？

いや、そんな訳がない。冬綺さんは調教師で、当然その掟を知っているのだから。

浮かびかけた事を払拭するように頭を振った。