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夜が開けるまで

第4章 禁断の果実

9月になると、長雨が続き、陽気がぐっと涼しくなった。

夏が終わりを告げていた。


この夏は由紀にとって、人生が大きく変化した。



20年目の離婚、そして20歳も離れた拓馬との密会…


40を過ぎたあたりから、僅かながら体調の変化を感じていた


「老い」の二文字が頭をよぎる


若さと美貌だけで通用出来なくなってきた時

女としての生き方が試される



現実と理想の狭間で揺れ動く、女としての転換期に現れた20歳年下の青年



禁断の果実を味わったことは、自信を失いかけていた自分への称賛であった。



しかし、この運命の赤い糸が、やがて複雑に絡み合い

思わぬ方向に手繰り寄せられていることに


由紀が気付くまでにはまだ時間の経過が必要だった。










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