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夜が開けるまで

第1章 仮面夫婦

宴会客の相手をするコンパニオンは、割りのいいバイトだった。

コンパニオン嬢は、専属もいれば、頭数を揃えるだけのために呼ばれる素人主婦もいる。


専属嬢でも素人主婦の雰囲気とも違うオーラを持った由紀は、
宴会客から個人的に名刺をもらうことが多かった


下心で名刺を渡していた客を逆手に取り、保険の営業に利用していた。


そして、相手が地位が高い場合は、愛人である支社長を同行させ、首都圏にまで営業を拡大させた。



こうして、歩合給の強い保険業界にあって、由紀はどんどん営業成績を伸ばし、収入も右肩上がりになっていったのである。

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