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夜が開けるまで

第7章 葛藤

武志は黙って由紀の話を聞いていた。






「わかりました。

実は、息子に私の跡を継がせようと思っているところでしてね。

ただ、息子は首を縦に降らない。その原因があなたにあると思っていました。





社会経験を積ませる必要もあるが、もう私自身に時間が……!!」



言いかけたところで、武志は急にゲホゲホと咳こんだ。


「大丈夫ですか?」


「あ、ああ…」

武志は小さくうなづいた。


しかし、カウンターにうつむきになると、武志は肩で大きく呼吸をしながら、ゼイゼイ言い始めた。

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