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夜が開けるまで

第1章 仮面夫婦



夫のすることになすがままだった由紀が言葉を発した。



「仕事に戻る時間なの、もう、この辺にして」


由紀は自分の乳房に顔をうずめる夫の肩をつき放した


そして、床に落ちたジャケットを拾うと、乱れた服を整えて

まっすぐな瞳でこう言った。



「あなたこそ、女がいるでしょ。
知ってるわ。

ホテルの若い仲居と一緒に住んでいるそうね。」


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