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夜が開けるまで

第1章 仮面夫婦

20年、連れ添った夫に三行半を突きつけた妻。

20年といっても、一緒に暮らしたのはわずかで、十数年に渡り、市内であっても別居だった。


それに妻は今、夫以上の収入を得ている。



離婚しても、経済的に困ることはなかった。


実家に帰ることもない。


今のまま、変わることは何ひとつない。


失うものもない。


代わり映えのない、流されるだけの人生に決別をつける。



私はもう、昔のようなひ弱な小娘じゃない。






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