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夜が開けるまで

第2章 新人社員

拓馬が入社して、いつもはやらない新人の歓迎会が行われた。


新人がアニメから抜け出たような超イケメンという噂は、入社前から外交員達の話題になっていた。

音頭をとったのは他のグループのベテラン外交員たち。




「ねぇねぇ、向井くんは何が食べたい?好きなもの、ご馳走するからねっ」


おばさま方の弾む声に、拓馬は素直に「焼肉」と答える。


「焼肉は好きな人と食べるんじゃないの?」

「仲間うちで食べますから、そんなことは関係ないですよ」


拓馬の爽やかな笑顔は、普段女ばかりの営業所にときめきと、新鮮な風が吹き抜けた。


上司である由紀は、口を挟まずただ、外交員達の提案を受け入れては、幹事として忙しく準備を遂行させた。

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