
夜が開けるまで
第2章 新人社員
歓迎会の席で、おばさま方に囲まれても拓馬は臆する事なく談笑し、場を盛り上げる事ができた。
外交員達は次々に拓馬のグラスにアルコールを注ぎ、飲み干す拓馬をみては歓声をあげる。
「いい飲みっぷりね〜!」
「若いっていいわねぇ〜」
テーブルの隅っこでその様子を眺めていた由紀は、彼をスカウトした自分の眼力に自信を抱いていた。
俳優にしても惜しくない程の端正な顔立ち
183センチの長身
はにかんだような爽やかな笑顔
言葉遣いもしっかりした礼儀正しさ
年上好みのする好感度に、由紀は期待が高まった。
彼なら、優秀な営業マンに育っていくわ…。
