
夜が開けるまで
第3章 真夏の夜の夢
「あの夜が忘れられません
今まで経験したことのない
一番素敵な夜でした。
また会いたい
今から会えませんか?」
拓馬からのメールは、情熱的だが一方的でもある。
既読をつけると、
返事が面倒…
勘違いしないで。
あれは一夜限りの情事なの。
離婚して身も心も軽くなったから、ちょっと遊んでみただけよ。
だいたいにおいて、年端も行かない若い男に私が本気になるなんてあり得ないでしょ。
由紀はわざと冷めた女を演じて、自分を保とうとしていた。
なぜ?
このまま行けば、私が私でなくなりそうだから…
