夜が開けるまで
第4章 禁断の果実
ガラス越しに映るシルエット。
拓馬は緊張と期待、湧き上がる欲情に胸がざわついていた。
今までも女性経験はそれなりにあった。
甘いマスクの拓馬は、中学生から年上と交際を重ねてきた。
しかし、自分から誘うことはなく、
相手が望むなら受け入れるだけ。
来るもの拒まず、去る者追わず、が拓馬のスタンスだった。
だが、今は違う。
ただの年下男ではなく、
人生を変えるような運命の人としての
かけがえのない存在でありたい
そして
何より家族を抑圧し暴君のような父親に対し
決別と自立をつきつけたかった。