非恋愛体質
第8章 恋のライバル
「はぁぁぁぁぁ……」
デスクに突っ伏して思わず出てしまった
長ーい溜息。
reafで美奈子さんに話を聞いてもらい、ひとしきり泣いた後、職場に戻ってきた私。
化粧が薄いのだけが救いで、美奈子さんが渡してくれた冷たいタオルを目に当ててたから、目が少し充血している程度で済んでいる。
課長は外回りに行っているのか、オフィスにいなかった。
「春先輩、そんな溜息ついてどーしたのっ?」
顔を上げると、向かいの席の片山君が不思議そうに見ていた。
「えっ!?私の溜息そんなに大きかった!?」
「そりぁもう、このオフィスに響き渡るくらい盛大な音だったけど…」
「嘘っ!?」
思わず両手で口を塞ぐ。
「んなわけないでしょ。春先輩バカなの?(笑)」
「…この展示会の資料もまとめといてもらっていい?今日中に!」
「すみませんでした。」
クスッ
「やっと笑った。」
頬杖つきながら片山君がこちらを見つめている。
「てかなんか目赤くない?」
「そ、そう?さっきまつ毛入っちゃってこすったからかな…目薬刺しとく!さて、仕事仕事…」
「ふーん…なんかあったならいつでも相談乗るよ。春先輩。」
「ん、ありがと。」
そうして仕事し始めた春を見つめる航太。