非恋愛体質
第5章 見極める力
そして見えてきた私のマンション。
「あっ、家あのマンションなんで、この辺りで大丈夫ですよ。こんなところまですみませんでした。そういえば蓮さんの家ってどこなんですか?」
「あーうちは駅前のタワーマンションあるでしょ?あそこ‼︎」
「えっ?さっき目の前通りましたよね?本当にごめんなさい。」
「俺がしたくてやってんだから気にしない!男として当たり前なことしただけ。明日は遅刻すんなよ(笑)」
「はい。ありがとうございました。おやすみなさい。」
ペコっと頭を下げ、マンションに向かう。
しばらく歩いて振り返ると、こっちを見ている蓮さん。
「早く家入れよー!」
と手を振っている。
またペコっと頭を下げてマンションに入る。
部屋に着き、ベランダから外をみると蓮さんが来た道を戻っていた。
……男として当たり前か。
きっと私に対してだけじゃない。
なんで胸が痛むんだろう。
好きなのかな?
そのとき脳裏にかすめる辛い記憶。
……………。
やっぱり私は1人が似合ってる。
もう恋はしたくない。しないほうがいいんだ。