テキストサイズ

非恋愛体質

第7章 蓮の事情



柄にもなく緊張していた。
美奈子さんに似合う、オレンジと黄色の花束を買ってreafに向かった。

夕焼けが沈む頃だった。


花束を背に隠し、reafの扉を開けると、愛しの彼女の姿があった。


「美奈子さん!」


そう呼びかけると、彼女はいらっしゃいと手を振ってくれる。


でも俺はすぐに気付いてしまったんだ。


彼女の左手の薬指に指輪が光っていることに。


顔は笑顔を作っているのに、心は凍りついた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ