
非恋愛体質
第7章 蓮の事情
ゆっくりした足取りでカウンターまで向かうと、気持ちを悟られないように、花束を差し出した。
「美奈子さん、お誕生日おめでとう。
いつもお世話になっているから、感謝の気持ち!」
「わー綺麗♡ありがとねー‼︎
蓮くんがこんなことしてくれるようになるとは‼︎ 大人の男になってきたわね(笑)」
「ハハっ…たまにはね。」
そう言ってもどうしても指輪に目がいってしまう。
すると美奈子さんが
「あっ、これ気付いちゃった?実はね、今日プロポーズされたの。ここの店長なんだけどさ。」
そう照れながら話す彼女の笑顔は、今まで見たどの笑顔よりも美しかった。
