
非恋愛体質
第7章 蓮の事情
ガチャッ
そのとき店のドアが開き、男の人が入ってくる。
髭とパーマのかかった髪を一つに結っているのが印象的な人だった。
この人かな…
俺は本能でそれを感じ取った。
だって、男の俺が見ても格好良くて、美奈子さんに向ける視線が優しかったから。
「美奈子お疲れー‼︎そろそろ交代な‼︎」
「はーい‼︎あっ、こちら蓮くん。前話したでしょ。生意気なイケメン君がいるって(笑)蓮くん、こちら店長の順也さん。」
「どうも。」
ペコりと頭を下げる。
「いらっしゃい‼︎噂通りのイケメンだな…どう?うちでバイトしない?女性客増えるかも…」
「そこっ‼︎どさくさに紛れて勧誘しない‼︎(笑)」
「美奈子怖えーな。すんません…まぁよろしくね‼︎」
俺のほうが幸せにしてやれるって言いたかった。
でも、この2人の息のあったやりとりを見ていると、俺にはわからない絆と信頼関係があるって嫌でもわかってしまった。
