センシティブ♥ボーイ
第9章 圭ちゃんのレッスン
◇◇◇
「今日どーしたんだよ。元気なくね?」
「そ、そうかな…」
鈴木くんがいうとおり、僕は完全にテンションがガタ落ちだった。
今日一日ずっとため息をついている。
その原因は圭ちゃんなのだけど。
勉強しに行ったのが仇となって、今は後悔に苛まれている。
「ねえ、鈴木くん…」
「ん?」
「僕って……ちゃらい、かな…」
「ぶっ!!」
鈴木くんは食べかけていた焼きそばパンを遠くまで飛ばした。
「わ、わり……なんでそんな話になんの?」
「僕…ちゃらいって…圭ちゃんに言われちゃって…」
「圭ちゃん?」
「いとこの…」
ああ、と頷いて考え始める。
焼きそばパンを食べ終わるといちごミルクを流し込みながら、僕の方を見た。
「お前はチャラくねーよ。
一番かけ離れてるだろ?佐藤は。
何でそんな話になったかしんねーけど、チャラい奴ってのは…なんていうかな、もっとこう…ちゃらんぽらんに生きてる奴のこというんだよ。俺みたいに。」
「鈴木くんは…ちゃらいの…?」
「おう、チャラいチャラい。
ほら、髪の色もお前と正反対だろ?だから、お前はチャラくねーんだ」
だから……僕と……
ポンポンと頭を撫でられて、体をすくめる。
心臓がキューっとなったけど、今日はその中に哀しみも含まれていた。