センシティブ♥ボーイ
第10章 セフレなんです
「す、鈴木くんっ」
「お前……普段そういうことは全くの無知ですみたいな顔しといて…随分な言葉、知ってんじゃねーか」
鈴木くんは僕を睨み付けながら、低い声で唸るように言った。
「まあまあ、聖司…とりあえず…体育着!体育着をきよ…」
「うるせえ!坂本は黙ってろ!!」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴って、授業の始まりを知らせた。
もう既に皆教室の中に入っているのだろう。
鈴木くんの声が響いて、シンと静かな静かすぎる時間が訪れる。
「来い。」
「え……あ、のっ」
「ちょ、聖司!せめて着替えてから…っ」
バタン
思い切り鈴木くんが扉を閉める。
僕はパンツだけで廊下に連れ出された。
恥ずかしすぎて保健室に戻りたくなるけど、鈴木くんに手をぎゅっと握られて引っ張られているものだから、どうしようもない。
「す、ずきくん…っ」
どうしてそんなに怒ってるの…?
僕、変なこと…いっちゃったのかな…
セフレの意味は間違っていないはずなんだけど…
握られた手を見ながら、一生懸命考えるのに、僕の頭はもう、違うことに支配され始めていた。