センシティブ♥ボーイ
第22章 蛙はカエル
「……今?」
「うん……で、でも…あの…ほっぺ…風邪感染っちゃうから…」
「いいよ、ん。」
鈴木くんは頬を突き出した。
僕はそおっと近づいて、鈴木くんの頬に唇をくっつける。
やっぱり物足りなさはあるけれど、鈴木くんに触れるだけでも嬉しい。
そっと離れると、鈴木くんは僕の方を見つめた。
「それだけでいいの?ほんとに?」
「え……?」
「俺は、こっちにしたいんだけど。」
「こっち……え…んぅっ」
ぐいっと頭を引かれて、唇に温かいぬくもりが降ってくる。
鈴木くん風邪が…っ
そう思うと、気が気じゃなくて、気持ちがいいのに、なかなか集中できなかった。
「なんだよ。集中しろよ」
「で、でも…風邪…っ」
「いいんだよ。バカは風邪ひかねーんだから」
「んんっ…ぁ…ふぁ」
そ、そんなあ…っ
抵抗しようと思ったけど、手もしっかり鈴木くんに握られていて、身体中も抱きしめられていて。
でも、カエルが見ている前でキスするのはなんだか気が引けた。