センシティブ♥ボーイ
第26章 ちょっと距離を置こうか。
「佐藤!!」
勢いよくドアを開けたものの。
部屋には誰もいなかった。
ベッドの掛け布団をめくってみても誰もいない。
いるのはカエルだけだ。
どこいったあいつ…っ
俺なんでこんなに避けられてんの?
カエルを見るとクローゼットを見つめている。
部屋を一周見渡すと、佐藤が入れそうな場所はクローゼットのみ。
ここだな。
クローゼットの前にそーっと近づいて、カエルを見た。
「ここ?」
「………ソコ。」
聞いたか佐藤。
お前の大事にしているインコは俺の見方だぜ。
「………っっう、わああっ」
「うわあじゃねーよ!俺を避けるなんていい度胸じゃねーか!!……って、何その顔」
佐藤はパジャマを着たまま、クローゼットにうずくまっていたのだけど。
こちらを見た佐藤の顔はひどいものだった。
目が思いっきり腫れて、あのクリクリした瞳は名残もない。
誰に泣かされたんだ?!
佐藤の目線までしゃがんで腫れている瞼に指を伸ばすと、その手はあっけなく佐藤に払いのけられてしまった。