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センシティブ♥ボーイ

第27章 一人しかいない







◇◇◇




『お掛けになった電話番号は現在使われていないか、電波の届かないところにいます―』



何度電話を掛けても一向に繋がらない。
メールを打ってみたけど返事は返ってこなかった。




「……鈴木くん……お願い出て……っ」



無機質なコール音が耳元で繰り返されるのがとても虚しかった。

そういえば、鈴木くんは電話したらいつもすぐに出てくれたなって、思い出す。


電話に出てもらえない経験をしたことがないから、その悲しさに寂しさに気が付かなかった。





電話をいくらしても、
メールいくら送っても。


応答がないことはとても悲しい。



「……ごめんね…鈴木くん……」



鈴木くんはずっと……
ずーっとこんなに哀しい気持ちになっていたんだ。

僕はそうとも知らずにコール音がなってもメールが来ても返そうとしなかった。
昨日だってその前だって、毎日メールもしてくれてたのに。

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