センシティブ♥ボーイ
第27章 一人しかいない
鈴木くんの声は震えていた。
「すずき…くん…っごめんなさい…ぃ…っ」
「だから、」
「ちが、…ち、がくって…っ」
誤解をとかなきゃ。
違うってちゃんと言わなきゃ…っ
嗚咽を繰り返しながら、違う違うと首を振って、鈴木くんに縋り付く。
『聖司はね、崇史くんと釣り合う男になりたいんだってさ。だから、勉強頑張って大学にいくって。』
鈴木くんは僕と一緒に居るために、一生懸命努力をしてくれてたんだ。
好きじゃない勉強を、一生懸命頑張ってたんだ。
目の下にクマができていたのだってわかってた。
だけど…僕はいっつも僕のことしか考えられなくって
いっつも鈴木くんの優しさに甘えてたんだ。
『勉強したからって。釣り合うかどうかなんて、わかんないのにね』
いたずらっぽく笑った坂本先生の顔が頭をよぎった。