センシティブ♥ボーイ
第27章 一人しかいない
『本当に平気だね?佐藤君、ちょっとこっちにおいで』
警察に引っ張られて、何やら陰でこそこそ話をしている。
俺よりも、お前に引っ張られていく方が心配だっつーの。
佐藤は可愛いし騙されやすいし。
ひとたび新宿二丁目なんかで迷い込んだら、あいつはきっと戻ってこられないと思う。
ちょっと目を離してると、とんでもない考えに飛んで行ってるし。
もう、目ぇ離してらんねーな
しばらく話し込むと、警察は帰って行って佐藤は物陰から出てくる。
「なんもされなかったか?」
「う、うん…困ったら、ここに連絡してって…金髪には内緒だよって…」
金髪っていうな。金髪って。
金髪なだけで犯罪者扱いかよ。
あー世の中って不公平だ。
「…………」
「…………?」
………でも。
「すきだよ」
「………っっ///」
よかった、佐藤がまだ好きでいてくれて―――。
「家、入るか」
「うん……っ」