センシティブ♥ボーイ
第30章 そっち?どっち
いきなりリビングに入ってきたのは、背が高くって足がすらっと長くって。
サングラスを頭にかけて白シャツをかっこよく着こなしている、とっても綺麗な女の人だった。
「………」
「………」
あまりに突然のことで驚いて口をパクパクしていると、女の人もじいっと僕のことを見つめてくる。
あ……っぼく…挨拶も…なんにも………っ
「あなた……」
「………あ……あ…えと…えとっぼ、ぼく……すみませ…っ」
「………」
女の人はズンズンと僕に近づいてきて、僕のメガネをあっという間に取り払った。
メガネはソファの方へ飛んでいく。
「あの…お邪魔…して…お邪魔……っえと……僕……あの…っ」
女の人は目を見開きながら、僕の目を一点見つめると、
「……かっ………」
一音言葉を漏らした。
か……?
か…?
蚊?