センシティブ♥ボーイ
第38章 文化祭準備
「わ、笑わないでよぉ…」
鈴木くんと鶴橋くんは、同時に吹き出してお腹を押さえて笑っていた。
仕方ないのだ。
クラスの皆がどこかのシーンで必ず出るとなると、主要人物はそんなに多く作れないから、必然的に死体役が多くなってしまうのだ。
基本的にクラスの主体になっているグループが主要人物をやるので、当然一人の僕は死体に回る。
「あーぁわりわり。はは…っ見たかったなぁそれ」
まだ鈴木くんは、笑いが収まらないようだ。
さっきまで沈んでいた鶴橋くんもゲラゲラ笑っていたので、まあいっかという気分にもなった。
「確か3年は飲食系で出店になるんだよな?」
「てことは、俺らなんかつくんのか。」
「俺たこ焼きがいいなー」
「俺焼きそばー」
「ぼ、ぼく…クレープがいい!」
このときの僕は何も考えていなかった。
能天気に、鈴木くんと文化祭を楽しみたいなんてそればかりで。
思いもしなかった。
まさか僕があんなことになるなんて―――…。