センシティブ♥ボーイ
第5章 佐藤のメガネ
そうだ。
この人、よく鈴木くんと一緒にいる…確か鶴橋くんだった。
「マサに聞いてもさあ、なんにも教えてくんないからー、
ね、なんで仲良くなったわけ?二人って」
すごく楽しそうに身を乗り出して聞いてくる。
ち、近いな…。
どうしよう。
僕…これ以上近くに来られたら…また変な声…
鈴木くん以外にもうバレるわけにはいかない。
仲良くなったっていうか…敏感である秘密をダシにして脅されているだけなんだけど…。
まさか、鶴橋くんにもそんなことをばらすわけにもいかない。
「僕たちって…仲がいいようにみえる…?」
「え?だって仲良くしてんじゃん。え?あれ?仲良くねーの?」
不思議がる鶴橋くんに首を振った。
仲良さそうにみえる。
その言葉がとても嬉しい。
形は脅されている脅しているという関係でも、僕にも傍から見ただけでも仲良しであるという関係の人がいるという事実が嬉しかった。