センシティブ♥ボーイ
第5章 佐藤のメガネ
「おわっ」
「イジメはっけーん」
鈴木くんは鶴橋くんの首根っこを掴んで思いっきり後ろに引っ張った。
凄まじい勢いで僕から離れていく。
「ちげーよ!!
今イイとこだったのによー
なあサトゥー?」
「え…あ……う」
鶴橋くんが僕に微笑みかけると、鈴木くんは僕を見つめる。
今の今まで、鈴木くんのことでにやけていたことを思い出すと恥ずかしくなった。
でも……
助けてくれた。
やっぱり、鈴木くんは優しい。
カァーッと顔が熱くなる。
「……」
嬉しくなって、また少し頬が緩んだ。
「あれ?あれ?やっぱりさ、マサがサトゥー構うのって…も、し、か、し、てっ…うおッ」
そんな僕をまたまじまじと見て。
鶴橋くんが何かを言いかけた時、鈴木くんは彼のお尻を脚で思い切り蹴り飛ばした。
「おーいー尻無くなっならどうす…って、おい!マサ!!」
「…あ、…え?ちょっ」
鈴木くんは鶴橋くんのお尻に蹴りを入れると、無言で僕を振り返り、
僕は鈴木くんに手を引っ張られて教室から連れ出された。