センシティブ♥ボーイ
第5章 佐藤のメガネ
泣きながら付いて行って、着いた先は屋上だった。
鈴木くんは人目につかないようなタンクの傍まで僕を引っ張っていく。
「……う…っぇ…う」
僕をやっと振り返ると、鈴木くんは溜息をついた。
うざいって思われてる。
僕がメソメソするから。
「お前さ。」
「…ヒックッ…う…っ」
上から鈴木くんの声が降ってきて、なんとか涙を止めようと思うけど、溢れてくるばかりだった。
「なんで、お前……」
「うぅっ、ご、ごめんなさ…っう」
「……泣くなよ」
ごめんなさい
何度も心の中で謝って、メガネをずらして袖で涙を拭う。
すると、鈴木くんに僕のメガネをすっと取り上げられて、顎を掴んでグッと上を向かされた。
わ……!
そうすると、必然的に鈴木くんとバチリと目が合う。
本当だったら、メガネを外しているから見えないはずなのに。
鈴木くんの瞳はくっきりはっきりよく見えた。
その距離に戸惑って身じろいだその瞬間、
「……っ!」
唇に感じる柔らかい感触。