センシティブ♥ボーイ
第5章 佐藤のメガネ
「……ん」
「……お前、その顔反則。」
唇だ。
鈴木くんの唇…、
ゆっくりと鈴木くんが離れて行く時にやっとわかった。
はっきりと鈴木くんのかっこいい顔が見える至近距離で、囁かれて。
……反則って…
なんのことだろう。
僕、また何かしちゃったのかな…
またぶわっと涙が出そうになったけど、グッと抑えた。
「あ…」
そういえば、いつの間にか涙がとまってる。
鈴木くん、きっと止めるためにしてくれたのかもしれない。
「鈴木くん…ありがとう…」
僕はごめんねを言う代わりに、ありがとうといった。