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俺の愛した女

第10章 彼女の温もりが残る部屋

俺は、2人で散歩した道や、一緒に訪れた場所を探し回り
辺りが暗くなる頃に部屋に戻った。

彼女の残した甘い香水の匂いは、前回の寂しさなんて比べものにならないほど、
切なさと後悔と自分の身勝手さを無言で責めているようだった。

嫌、責めて欲しい。

できることなら、みなみ…お前に責めて欲しいと願う。

彼女のいなくなってしまった部屋には
最後の最後で、彼女との時間を自らの手で壊してしまった哀れな男の姿をした俺がいた。

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