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俺の愛した女

第11章 俺と彼女の関係

「陽介君も仕事のこともあるし とりあえずタクシーを呼んで 悪いと思ったけど鍵を借りて運んだよ」

うわ…本当すみません。

「運転手にはチップを払ったし警察沙汰にはならないよ」

重ね重ねすみません…
迷惑をかけた挙句手当てまでしてもらっている。

「俺も若い時にはそんなこともあったよ」と、涼太さんは笑って気にするなと言ってくれた。

でも俺には今、とても気になっていることがある。

「あの…みなみの声が聞こえた気がして」そう言うと、
ああ。と頷いて
「陽介君のアパートの場所も知らないから彼女に電話して聞いたんだよ
その後容体を確認して電話をかけたから」

俺の聞いた声は、電話の向こうから俺を心配して泣き叫ぶ彼女の声だった。

「あんまり心配かけるなよ」

そう言って涼太さんは帰って行った。

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