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未定

第7章 記憶

嘘だとわかっても深く追及しないところがまたいいところだけど・・・
それにしても無関心だなと思ってしまう。



それからしばらく仕事に没頭しているといい匂いがし始める。
久々に嗅いだ紅茶の香りは疲れた気持ちを落ち着かせた。


「たまには良いね。紅茶も」

「そうですね」

「ところでこれカルチェラタン?」

「・・・?」



俺の問いかけになんのことだと首を少し傾ける。


「ああ、紅茶の種類が」

「種類・・・ですか。」



そういうとラベルをこちらに向けた。


「あ、やっぱり」

「お詳しいんですか?」

「いや。全然。つい最近これを自慢げに俺に進めてくれた友人がいてね。」

「そうですか。」


ま、どうでもいいですけどと続きそうな彼の表情に思わずクスッと笑ってしまった。

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