I promise you ~.:*この想い、永遠に.:*
第13章 約束の場所でもう一度
「……簡単に言うなよ…。
俺には親父みたいな料理は作れない…」
拓ちゃんは……
ペンションの仕事がやりたくない訳でも
料理が作りたくない訳でも無い…。
ほんの少し、
自信が無いだけ…。
「おじさんと同じ味じゃなくてもいいじゃない?
あのカレーみたいに
拓ちゃんの味で
ペンションを続けて欲しいの…」
「俺の…味…?」
「うん…
拓ちゃんの味が好きだって言ってくれる人が
必ず居るはず…。
私や……海翔さんみたいに」
無意識に課長の名前を口にした後
胸がきゅぅんと仔犬のように泣いたけど
海翔さんの名前を出したのは
間違いだったかもしれない……。
「…嫌だ、作らない……」
目の前にいる駄々っ子の方が
仔犬よりも手が掛かりそうだ。