I promise you ~.:*この想い、永遠に.:*
第1章 遠い記憶~亜子編~
ベッドの上に、お母さんがせめて部屋だけは女の子らしくと置いてくれたハートのクッションを拓ちゃんに向かって投げつけた。
「おっ?俺にハートのプレゼントか?」
私のこと女と思ってない癖に…
皆で私のこと笑ってた癖に…
「か、返してよっ!」
拓ちゃんの腕の中からクッションを奪い取った。
「拓ちゃんになんか、あげないんだからっ」
思わず、言ってしまった…。
クッションだけじゃなく
私の心も返して…。
拓ちゃんでいっぱいの心を返してよっ!
「今日は遊びたくないのっ、もう帰って」
そう言って布団の中に潜り込んだ。
拓ちゃんは……
そんな私の隣に腰を下ろして
「亜子?
何で機嫌悪いのかわかんないけど……
機嫌が直ったらまた遊ぼうぜ?」
……。
「亜子が居ないと俺…
つまんねーし」
…………。
「じゃあな、亜子」
布団の上から私の頭をポンポンとして部屋を出て行った。
“亜子が居ないと俺…つまんねーし”
私は…拓ちゃんが居ないと
寂しいよ……。
拓ちゃんの足音が聞こえなくなるまで
クッションに顔を沈めて声を我慢した。
恋で泣いたのは……
その日が初めてだった。