無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

撮影所で、類はメイクされ、用意された衣装に着替えている。
その様子を柚香は見つめている。


（すごい、きれい……）


「こっちで見学してろよ」
「はい」


（女性のモデルさんもいる……。みんなきれいな人ばっかりだな）


痛い視線を感じる。


（すごいきれいな人）


長いストレートの黒髪。
吸い込まれそうな瞳。
白い肌。


（睨まれてる……？まさか、ね）






休憩時間


類が近付いてくる。


「類さん、お疲れさまです。すごいですね」
「ん、あぁ」


話していると、さっきの黒髪の女性が近づき、類の腕にねっとりと腕を回してくる。


「類、その子、だれ？」
「……彼女だよ」
「嘘」
「ほんとだよ」
「ふふ、だって、どこで拾ってきたの、そんな普通の子」


柚香は恥ずかしくなって類の後ろに隠れる。


「いいんだよ」


類が柚香の髪を撫でる。
見せ付けるように……


「本気じゃないんでしょ」
「本気だよ」
「あなたには無理よ」
「……」