
小春食堂【ARS】
第30章 幸せ宅配便【雅紀】
俺は、食堂を出て営業所に出勤した。
トラックに荷物を積みこみ出発。
今日の一番目の配達先は、北川さん…?
いつも通り、娘さんからの日時指定。
「北川さん、もう退院したんだ。」
いつものようにトラックを停めると、インターホンを押した。
「こんにちは、グリーン急便です!」
「はぁい。」
声がして、中から出てきた人は北川さんじゃなかった。
「あの、あなたが相葉さんですか?」
出てきたのは、中年の女性。
背筋をぴんと伸ばした、凛とした人だ。
「はい、そうですが…。北川さんは?」
「私、北川の娘です。」
娘さんは、北川さんはまだ入院してることを話してくれた。
「じゃあ、この荷物は…。」
「相葉さんには、母を助けていただいて本当に感謝しています。営業所に電話したのですが、お礼は無用と言われて。」
「あ、だから…」
娘さんは黙ってうなづいた。
「こちら宛に、いつもの日時指定で荷物を送れば相葉さんにお会いできると思いまして。本当にありがとうございました。」
「いや、もういいですよ!」
俺は照れくさくて頭をかいた。
「これは、ほんの気持ちです。」
そう言って娘さんは荷物に受け取りのサインをし、そのままその箱を俺に渡した。
お礼の品の菓子折りだった。
トラックに荷物を積みこみ出発。
今日の一番目の配達先は、北川さん…?
いつも通り、娘さんからの日時指定。
「北川さん、もう退院したんだ。」
いつものようにトラックを停めると、インターホンを押した。
「こんにちは、グリーン急便です!」
「はぁい。」
声がして、中から出てきた人は北川さんじゃなかった。
「あの、あなたが相葉さんですか?」
出てきたのは、中年の女性。
背筋をぴんと伸ばした、凛とした人だ。
「はい、そうですが…。北川さんは?」
「私、北川の娘です。」
娘さんは、北川さんはまだ入院してることを話してくれた。
「じゃあ、この荷物は…。」
「相葉さんには、母を助けていただいて本当に感謝しています。営業所に電話したのですが、お礼は無用と言われて。」
「あ、だから…」
娘さんは黙ってうなづいた。
「こちら宛に、いつもの日時指定で荷物を送れば相葉さんにお会いできると思いまして。本当にありがとうございました。」
「いや、もういいですよ!」
俺は照れくさくて頭をかいた。
「これは、ほんの気持ちです。」
そう言って娘さんは荷物に受け取りのサインをし、そのままその箱を俺に渡した。
お礼の品の菓子折りだった。
