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小春食堂【ARS】

第33章 約束の5日間【智】

数回の休憩をはさみ、ポーズを変えて、描いていく。

気がつくと、そろそろ約束の時間も終わりに差し掛かっている。

窓から射す西日もずいぶん傾いていた。

「ありがとうございました。」

小春さんは、少し疲れた様子だった。

実際、モデルというのは重労働だ。
同じ体勢をとり続けることは体力を使う。

「あの、もしよかったらコーヒーでも飲んで行きませんか。って言っても、学食だけど。」

小春さんは、俺の顔をしばらく見ていた。

「へぇ、おおきに。」

小春さんは、目を細めて微かに笑った。

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