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小春食堂【ARS】

第36章 約束の5日間【小春】

うちは、アトリエとかいう部屋に連れて行かれた。

小学校の教室くらいの広さで、西向きの窓から桂川の緑がよく見える。

学校なんてところは、中学を卒業して以来やからもう10年以上前や。
少し懐かしさを覚えた。

「こちらに腰かけてください。」

大野さんは椅子を出してきてうちをうながした。

本当に子供みたい。
体は薄くて腕もほっそりしている。

お座敷に来るお客さんはみんな大人でそれなりに社会的地位のある人がほとんどやから、こんな子供と接する機会はほとんどない。

チビのガキ。

言葉は悪いが、うちは正直そう思った。

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