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年が明けた。

京都は底冷えの街やけど、今年の寒さは格別や。

舞の稽古から帰ったら、郵便受けにハガキが届いていた。

美大の卒業制作展の案内状。

教授(せんせい)が送ってきてくれはったようや。

大野さんからのメッセージはそこにはなかった。

「大野さんに会える。」

うちはただ、その喜びだけでいっぱいやった。

自分の部屋の大野さんの絵の横に、案内状を貼った。

会期が始まるのを、指折り数えて待った。