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小春食堂【ARS】

第38章 追いかける【小春】

それからうちは本格的に寝込んでしもうた。

布団の中で泣いて暮らした。

お座敷も休んで、置き屋の他の芸舞妓に迷惑をかけた。

「あんた、一体どうしたんや。」

お母さんが心配して聞いてきた。
うちはたまらなくなって、お母さんに全部ぶちまけた。

大野さんが好きや。
大野さんに会いたい、と。

お母さんは驚いた様子やったけど、態度は冷ややかやった。

「あんた、教授(せんせい)の顔に泥を塗るつもりか。」

「……。」

「それに、その大野さんいう人に会ってどうするつもりなんや。」

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