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小春食堂【ARS】

第2章 カリスマブロガー【翔】

路地を進み、建物の玄関までやってきた。


看板もない。
のれんもない。


「この店、こんなので商売成り立ってんのか?」


俺は、少し緊張しながら玄関の引き戸に手をかけた。


俺の目に飛び込んできたのは、10席ほどのL字型カウンターと、小上がりにテーブルがふたつ。

カウンターの奥に立つひとりの女性。


「いらっしゃい。」


女性は振り返り、俺の目を見てにっこり笑った。

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