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（嘘だ…星崎が別れを言い出したなんて…）

どうか嘘であって欲しいと思いたい。


しかし、千種の願いは儚くも砕けた。


「星崎さんは僕と一緒にいる時が楽しいって言ってました」


とどめの一言に千種は深くため息をついた。
コーヒーを一気に飲み干してから、無言で席を立った。


「柏森さん、僕を殴らないんですか」


「時と場所を考えてモノ言え」

本来なら由多加を殴りたいところだが、そこをぐっと我慢して振り向きざまに言い放つと、足早に喫茶店を後にした。


千種がいなくなった手前のスペースには手のつけられていないサンドイッチが残っていた。


ウエイトレスがそれを下げようとした。

「いいです。僕が食べます」


にっこり笑って制した。