テキストサイズ

【S】―エス―01

第11章 怪物の涙

 当の瞬矢は小首を傾げ、俯き加減に髪を靡かせていた。伏せた睫毛に影を落としたかと思うと、くるり背を向ける。


(斎藤 瞬矢、あなたは間違ってる)


 香緒里は渡されたメモリーカードを握り締めながら、心の中で瞬矢の広い背中に投げかけるのだった。




 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ